それでは今回はイタリアのパンについて、ご紹介しますね。
食文化もあわせて紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください!
イタリアの食文化
イタリアのパンについてお話する前に、イタリアの食文化について簡単に紹介します。
イタリア料理と聞くと、パスタやピザのイメージが強いではないでしょうか。
イタリアは日本と同じように、南北に長い国土を有しています。
そのため、北部と南部では食文化が大きく異なるのが特長です。
イタリア北部は米文化
イタリアの北部ではパスタやピザよりも、日本と同じくお米を多く消費します。
イタリア北部のピエモンテ州では、アルプス山脈の雪解け水を利用したコメ作りが盛んです。
イタリアではお米をリゾットやドリアにしたり、サラダのトッピングに使います。
また、イタリア北部はスイスに近いのでバターやチーズもよく食べられます。
イタリア南部はオリーブ、トマト、魚介類
イタリア南部は地中海の温暖な気候を利用して、オリーブやトマトの栽培が盛んです。
さらに地中海沿岸部では魚介類を使った料理が多く食べられます。
魚を一匹丸ごとトマトやオリーブなどど一緒に煮込むアクアパッツァはイタリア南部の料理です。
またパスタでいえば、アサリを使ったボンゴレや、シンプルなペペロンチーノが有名です。
イタリア中部は米文化
私たちがイタリア料理としてイメージが強いのは、イタリア中部です。
イタリア中部は北部と南部の食材が融合され、ピザやパスタが盛んに食べられています。
イタリアではパンは脇役
イタリアではパンは昔から主食として食べられています。
しかし、イタリアではパンは主役というよりは、脇役の立ち位置です。
イタリアでは味の濃いパスタやリゾットと一緒に、パンを食べます。
そのため、イタリアのパンは味が薄いのが特長です。
イタリア中部にあるトスカーナ州では、いっさい塩を使わないパーネ・トスカーノというパンがあります。
イタリアのパンの種類
イタリアではパンの種類は3000種類を超えるとも言われています。
ピザの原型!歴史が古い「フォカッチャ」
フォカッチャはイタリアを代表するパンです。
小麦粉、水、塩、イースト、オリーブオイルを混ぜた生地を焼き上げて作ります。
フォカッチャの歴史は古く、古代ローマ時代に遡るとも言われています。
昔は生地を発酵させることを知らなかったので、小麦粉と水を練ったものを焼いていました。
そのため、フォカッチャの語源はイタリア語で「火で焼いたもの」です。
フォカッチャはピザの原型と言われています。
スリッパが語源のもちもちした「チャバタ」
チャバタはイタリアではポピュラーな食事パンです。
チャバタの語源はなんと「スリッパ」ですので、平べったい楕円形の形をしています。
材料は小麦粉、水、塩、イーストだけなので、シンプルな味です。
フランスのバゲットに似ていますが、チャバタはもちもちとしています。
チャバタがもちもちしているのは、生地に含まれる水分量が多いためです。
パン職人が水の量を間違って多く入れてしまって、チャバタが誕生したという逸話が残っています。
細長くカリカリとした「グリッシーニ」
グリッシーニは前菜で使われることの多い、イタリアのパンです。
細長い形状とカリカリとした食感が特長で、生ハムを巻いて食べます。
生ハムを巻いて食べる以外にはクリームチーズなどでソースを作り、お好みでディップしながら食べるのもおすすめです。
グリッシーニは17世紀後半のイタリアの王様が病弱なためクラムが消化できなかったので、クラストが多いパンを焼いたのが始まりと言われています。
イタリアではクリスマスの定番「パネトーネ」
パネトーネはイタリア北部のコモ地方を代表する天然酵母、パネトーネ種を使用したパンです。
パネトーネは卵やバターを使うリッチな生地の菓子パンで、ドライフルーツがたっぷり練り込まれています。
イタリアではクリスマスを待つアドベント(待降節)の時期に、パネトーネを食べる習慣があります。
アドベントは約1ヶ月間続くので、長い期間保存できる工夫が必要です。
パンの発酵にパネトーネ種を使うことで、水分含有量が少なくできるため長期保存が可能になります。